演奏前にフラメンコギターへ静かに手を置く奏者

歴史の中に、
生きた感情がある。

祈り、嘆き、労働、喜び。
フラメンコがどのように生まれ、人々の感情を歌や踊り、ギターに託してきたのかをたどります。

フラメンコとは。

フラメンコは、南スペイン・アンダルシアで生まれた、歌・踊り・ギターが響き合う表現です。

その中心には、ヒターノの人々が生きるなかで抱えてきた想いや感情があります。アンダルシアに息づく多様な文化と重なりながら、長い時間をかけて育ってきました。

華やかさや激しさだけの音楽ではありません。祈りのような歌があり、悲しみや怒りを吐き出す歌があり、喜びを分かち合う歌があります。その根にあるのは、うまく見せることよりも、言葉だけでは伝えられないものを声や身体に託すことです。

使い込まれたギターと仕事を終えた人の手
ROOTS · SONG & LIFE

暮らしと労働のなかから。

フラメンコの起源は、一つの民族や時代だけでは語れません。そのなかでヒターノの人々は、伝承と発展に本質的な役割を果たしてきました。家庭や共同体で歌われた声、畑仕事や鉱山などの労働から生まれた歌も、現在まで受け継がれています。

19世紀にはカフェ・カンタンテで舞台芸術として磨かれ、20世紀半ばには、その流れを受け継ぐタブラオが広がりました。

タブラオを思わせる空間でギターとパルマが応答する場面
TABLAO · COMPÁS & DUENDE

ひとりでは、生まれない熱。

タブラオでは、カンテ、バイレ、ギター、パルマが、決められた形をなぞるだけでなく、その瞬間の呼吸に応答します。コンパスを共有しながら、緊張、沈黙、解放が生まれていきます。

祈りであり、労働の歌であり、
生きる感情そのもの。

ひとりの表現が、歌、踊り、ギター、パルマとの応答によって変化していく。その瞬間性も、フラメンコの大きな魅力です。

演奏すること、
考え続けること。

ギターソロ、カンテやバイレの伴奏、各地での公演。盛植俊介の演奏活動と、フラメンコや音に向き合う中で考えてきたことをご紹介します。

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ギターとパルマがコンパスを交わす場面